Nothing is permanent.

事業売却、離婚を経て、小さな自分と向き合いながら旅に出てます。

起業した当時はひどいもんだったなぁ。〜始まりから売却まで〜

今はバラナシにいます。

 

バラナシ着いた途端から発熱・・・。

 

とほほ。

 

ゆっくりしております。

 

 

今日は前回の記事の続きを書きたいと思う。

hikarinonaka-h.hatenablog.com



Part.2 立ち上げと苦難

 

1度目の事業

~始まりから売却まで~

 

 

 

軽トラックから小さな出発をした事業は

 

あっという間に行き詰まった。

 

前回の記事でも書いたけど

 

私はそもそも経営の勉強も全くしたことがなく、

 

かけ算すらうろ覚えで

 

本当に情熱だけで突っ走って始めてしまってたから

 

当たり前と言ったら当たり前なんだけど・・・・。

 

 

 

朝、農家さんを回って

 

オーガニック野菜を積みこみ、

 

販売場所を貸してくれるパン屋さんの

 

軒先きでお店を開く。

 

みんな、興味本位でちらっと見に来るけど

 

中々、購入に繋がらない。

 

「今日はこの”あやめ雪かぶ”が美味しいですよ~!」

 

持ち前の笑顔で営業トークをしても

 

「また来るね~」とお客さんは去って行ってしまう。

 

ずっと外だから寒さで

 

足の感覚がなくなってくる。

 

必死に声をかけるも、皆、足早に通り過ぎていく。

 

寒さと虚しさの中、今日も1日が終わってしまった。

 

後ろを振り返ると

 

売れ残りの野菜がまだ沢山、トラックに並んでいる。

 

そんな毎日が続いた。

 

売り上げは3000円とかそんなレベル・・・。

 

 

 

1ヶ月が経った。

 

貯金額がすごい速さで減っていく。

 

胃が痛い。どうしよう。どうしよう。

 

不安で押しつぶされそうだ。

 

 

 

2ヶ月目、

 

少しづつ売り上げは増えていってるけど

 

全然、足りない。

 

どうしたらいいんだろう・・・

 

途方に暮れる。

 

 

 

3ヶ月目、ついに私の貯金額は数千円になった。

 

「やばい・・・来月の家賃、払えないじゃん」

 

ふと目をやると娘の貯金通帳があった。

 

毎年、娘宛てにもらうお年玉を貯めていたものだ。

 

娘を呼ぶ。

 

「えーーーっと。お願いがあるんだけどね。

 

ママさ、次の家賃が払えなくなっちゃって・・・

 

申し訳ないんだけど・・・

 

乃愛の貯金、使ってもいいかな?」

 

すると娘は、まるでおばさんのように

 

手を振りながらこう言った。

 

「全然、いいよいいよ~!

 

気にしないで~~~!

 

私も一緒に住んでるんだし~~~~!」

 

 

私はこの一言がキツかった。

 

 

まだたったの6歳で

 

親に気をつかって、

 

「私も一緒に住んでいるんだし~~!」なんて

 

大人びた口調で

 

言わせてしまった娘の気持ちを考えると

 

親として不甲斐なくて、申し訳なくて

 

涙がドバッと溢れた・・・・。

 

「”オーガニックで家族と子供たちを幸せにしたい!”

 

なんてデカイこと言っておいて、

 

自分が本来守るべき、一番幸せにしたい娘にすら

 

何もできてないじゃないか・・・。

 

もう娘にこんな気は一生遣わせたくない。

 

いや、遣わせない」

 

 

 

私が本気で自分のビジネスに向き合った瞬間だった。

 

 

それからは怒涛の日々だった。

 

 

お金がないので図書館で

 

マーケティング、セールスHowto本、

 

経済学、社会学、心理学・・・・

 

 

一つ一つ、自分の事業にヒントがありそうなものを

 

片っ端から借りて、読んで次の日にすぐ仕事で実行。

 

 

自分のターゲットはどこで、

 

顧客は何を求めているのか、

 

どんな不満や欲求を抱えているのか。

 

記録、数値化・・・何が必要で何が必要ないのか。

 

 

 

 

 

 

 

それと同時にオーガニックの知識や

 

歴史、現在の現状、環境問題、

 

身体と食の影響や知識も

 

学び始め、

 

 

 

売れ残った野菜たちを使って研究も始めた。

 

人参の臭さってどこから出ているんだろうか?

 

玉ねぎって繊維に沿うのと沿わないのでは

 

どっちが美味しい?

 

もっと簡単に長持ちする保存方法はないのかな?

 

もっとお母さんたちが野菜を調理しやすくなるコツは

 

どこにあるんだろう?

 

 

 

・・・・

 

娘が夜、寝てから朝起きるまでが

 

貴重な私の勉強と実践タイム。

 

 

昼間はお客さんにヒアリングしながら

 

その人に合った提案をし続けた。

 

 

「子供が人参嫌いで困っているんですか?

 

そうしたらこうすると人参臭さがなくなって食べやすくなりますよ」

 

「椎茸をすぐダメにしちゃう?

 

そしたら冷凍してみて!栄養価も旨味も3倍になるんですよ~!」

 

「小松菜の一番、美味しい食べ方って知ってますか?」

 

 

 

そのうち、

 

「あのお店に行くと

 

色々な野菜や身体の知識を教えてくれて助かる」

 

「あそこの野菜で子供の野菜嫌いが治った」

 

「簡単で美味しい食べ方を教えてくれるから献立に迷わなくなった」

 

という風にどんどんお母さんたちが

 

集まってくれるようになり、

 

行列ができる日も多くなった。

 

 

 

そしてあるお客さんから

 

「あなたの教室とかないの?私、もっと知りたいわ」

 

と言ってくださったことをきっかけに

 

オーガニック野菜の料理教室も立ち上げ、

 

移動販売と料理教室の2本軸が始まり、

 

やっとやっと生活費も安定して

 

稼げるようになった。

 

そしてファーマーズマーケットの運営や

 

講演活動など

 

活動の場も、広がり続けて

 

小さな軽トラックから2年半後、

 

2013年4月

 

店舗を構えることが出来た。

 

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 写真はオープニングの時。

 

 

 

店舗になってからも

 

大変なことは山ほどあったし、

 

日々、沢山の新しい問題にもぶつかった。

 

売り上げがうまく伸びない時もあった。

 

だけど

 

長年のお客様たちがいつも

 

ありがたすぎる言葉で励ましてくれ、

 

 

店長で頑張ってくれた社員を始め、

 

アルバイトスタッフがお店をサポートしてくれ、

 

彼女らの力とアイディアでお店を楽しく

 

素晴らしいものに成長させ続けてくれたり、

 

 

実直に真面目に野菜や製品を作りづつけてくれる

 

農家さん、職人さんたちにも沢山の学びと支えを頂いた。

 

 

諸先輩方、友人たちにアドバイスを沢山頂いたり・・・。

 

家族にも沢山、支えてもらった。

 

 

色々な方に店舗を育て頂き、経営し続けることが出来た。

 

 

そして2017年1月

 

私は地元の企業さんにオーナー権を売却して

 

私は世界一周へ、娘は山村留学へ。

 

2人ともずっと夢だったことに

 

それぞれ道を選び、

 

新しい一歩を踏み出した。

 

私33歳、娘13歳。

 

小さな出発からあっという間に7年が過ぎていた。

 

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今年の3月、娘の卒業式にて。親子そろって卒業だったね。

 

 

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