Nothing is permanent.

事業売却、離婚を経て、小さな自分と向き合いながら旅に出てます。

ミャンマーでの学び

 

ミャンマー・ミャウンミャの無医村に

 

巡回診療、保健衛生指導、家庭菜園支援を

 

通じてミャンマー人自身の課題解決意識を

 

育てる自立支援を行なっている

 

ミャンマー・ファミリー・クリニックと菜園の会」

http://mfcg.or.jp

 

その団体の代表であり、医師である名知仁子さんを

 

友人に紹介してもらい、

 

単身、ボランティアをしに行った。

 

と言っても私は医療従事者ではないので

 

翻訳や収支入力、書類作成などの事務作業を

 

3日間、お手伝いさせてもらった。

 

 

 

 

初めてお会いした日のお夕飯時、

 

私はいつものようになぜそれを始めたのか、

 

どんな歩みが今まであったのかを質問していた。

 

 

 

そんな私に名知さんは

 

「ひとみさんは色んなところを回っているのよね?

 

この前、行っていたチェンマイストリートチルドレン達は

 

どうして物乞いや花売りをしなければ

 

いけない現象が起きているの?」

 

 

 

「えっと・・・・

 

親が国籍がないこと・・・

 

教育がなされてないことでしょうか?


あと、低賃金の仕事しかないこと、

 

親が薬物や酒で思考が正しくできないこと、

 

環境の悪さ・・・

 

とかだと思います」

 

 

「じゃあ教育で言えば、全員が学校に通ってないの?」

 

 

「・・・・わかりません。」

 

 

「なんで親は国籍がないの?」

 

 

ミャンマーからの移民だと聞いています。」

 

 

「なんでミャンマーから移民が来ているの?」

 

 

「わからないです。調べていませんでした・・・・。」

 

 

「今のは親の現象よね。

 

じゃあ、その施設の子供たちはどうして物乞いをしなければ

 

いけない現象にあるの?親がではなくて、その子自身が。」

 

 

 

 

 

 

私はだんだん、分からなくなってきた。

 

名知さんが何を聞いているのか、本質はどこなのか。

 

 

頭に浮かぶのはさっきと同じような答えと

 

事実に基づいてない私の勝手な憶測だけだった。

 

 

 

名知さんはそんな私を見透かしているかのように

 

こう言った。

 

 

 

 

 

「あのさ、私が聞きたいのは

 

その問題の上澄みの部分ではなくてもっと深い部分なの。

 

「どうしてその現象が起きているのか」を

 

深掘りしていくこと、

 

自分なりのアウトプットを持たなくちゃ。

 

 

 

まずはどこにfactがあるのか、そして

 

Factからthinkingをして新しい視点が生まれるのよ。

 

そしてその視点を元に

 

様々な国や様々な問題を見た時に初めて

 

会話や出来事が活かされていくの。

 

ひとみさん、

 

そんな風に問題の浅い部分だけを知っても

 

何にもならないわよ」

 

 

 

 

名知さんの言う通りだった。

 

事実に対して

 

私は問題の浅いところだけを見て、聞いて、

 

自分の思考が浅く空回りしている

 

ことを私自身が一番よく感じていた。

 

 

 

 

 

それから毎日、名知さんは私に様々なことを

 

考えさせてくれた。

 

 

市場に行って帰って来た時も

 

「今、一番栄えている町を通って、田舎の市場まで来たんだけど

 

どう思った?何が違う?何を見てた?」

 

「ミャウンミャの町とヤンゴンとは何が違うと思った?」

 

「自分が何を感じて何を考えているのか、

 

そこに共通点はあるのか?探ってみて」

 

 

 

 

 

 

どうして町の中ではなく、

 

村での支援を選んだのかを聞いた時も

 

 

「どうしてだと思う?この町にあって村にないものは

 

 なんだと思う?」

 

「どこにfactがあると思う?」

 

 

 

 

名知さんは私に、常に考えを深掘りさせるヒントと

 

アウトプットの質を高めようとしてくれていた。

 

 

 

私はその度に

 

「うーーーん・・・・」

 

「えっと・・・・・・」

 

と唸りながらディスカッションをさせてもらい、

 

 

 

毎日、宿に戻っては

 

その日、名知さんが言っていた問いを書き出して

 

やっぱり、

 

「うーーーん・・・」

 

「えっと・・・・・」

 

と唸りながら一つ一つ咀嚼をしていった。

 

 

 

 

お手伝いをしに来たつもりなのに

 

たくさん、たくさん

 

土壌となる学びを頂いてばかりの3日間だった。

 

 

 

 

 

そして名知さんのその姿勢は

 

団体で働くチームメンバーとの会議の場や

 

村での支援にも脈々と流れていた。

 

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「私たちが行っている医療や菜園を通じて

 

住民たち自身が生活環境の課題を解決して、

 

住民たち自身で

 

命を育む未来を描ける社会を作っていきたいの」

 

 

 

 

彼女は事実を見つめ続けながら、

 

今、するべきことに全力で向き合っている。

 

 

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